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2024年6月16日(日) 「池上曽根史跡公園・弥生文化博物館」

今月は池上曽根史跡公園と弥生文化博物館を訪れました。

10時に阪和線信太山駅に集合。大阪から紀州路快速に乗り、天王寺、または鳳で普通に乗り換えます。駅からの道は少しややこしいですが、茶色く舗装されているのでそれをたどれば迷いません。
7分ほどで公園の入り口に到着。池上曽根遺跡は和泉市と泉大津市にまたがる弥生時代の大きな遺跡で南北約1500m、東西約500mに及び、弥生時代の人々が500年にわたって暮らしていた集落です。ここに当時の建物が復元され、公園になっています。
この遺跡は周りには防御のための堀が2重に巡らされていたとか。稲作が始まり食糧を備蓄するようになると、米をめぐって争いがおこるようになって来たからです。一昨年訪ねた伊丹の加茂遺跡も防御のために段丘を利用し、堀がめぐらしてありました。
大型堀立柱建物を復元したもの、集落の中心となる建物で上部は神聖な部屋、下の空間は人々が集うスペースとして利用されたと想定されています。柱が当時のそのままの場所で発屈され、その柱の太さから大体の高さが推定できたそうです。手前にある小さな屋根の下は井戸です。
壁や屋根の部分はまったく残っていないので土器や銅鐸に描かれてあるものを参考にして想像して復元したのだとか。写真は屋根の上の飾りの鳥、これも鳥形木製品が発掘されたことから、このようにして飾られていたのではと推測されて復元されました。
建物の前にある井戸の地上部分は直径2.3mのクスノキをくり抜いたものです。クスノキは樟脳の原料で匂いがきつく、湧き出した水にも匂いが移り日常の飲用には適していません。ここは集落の中心でもあり、特別な井戸であったと推測されています。この枠はレプリカです
他にも作業エリアとして使われたと思われる小さい堀立柱建物や竪穴式住居も復元されています。作業エリアは復元する際に、風邪を嫌う作業もあったとの想定から三方に草壁を取り付けたとか。
さて、遺跡を後にし弥生文化博物館へ。ここは日本初の弥生文化を専門に扱う資料館として1991年にオープン。第1展示室では弥生文化を詳しく紹介、第2展示室では池上曽根遺跡の発掘品や資料を展示してあります。
弥生時代の竪穴式住居での生活。米や貝、魚などを食べながら団らんする様子が再現されています。道具などは床に直置き、大事なお米や保存食はネズミに食べられないように土器に入れつるで編んだかごに入れてぶら下げてあります。天井の柱にネズミが!
季節を追った田んぼの様子。秋の田んぼでは石鎌で穂先を刈り取っている人の姿が。稲作のミニチュア、小さな稲の一本ずつが超リアルでこれを作った方の根気に脱帽!右は米作りの道具類です。
 こちらは卑弥呼の食卓を大胆に想像復元したもの、と言っても毎日これを食べていたのではないとの事です。野菜(ゼンマイ・タケノコ)を混ぜて炊き込んだご飯、タイやフグ、アワビ、里芋とタケノコと豚肉の煮物、キビ餅、粟団子、ハマグリとイイダコのワカメ汁などなどなど。私たちでも滅多に食べられないような高級品も!
 タコはこのころからタコ壺で採られていたようです。今とほとんど変わらない漁法ですね、小さいのはイイダコ用の壺です。
魏の国の王から卑弥呼に送られたという金印のレプリカ。意外と小さいものですね。この金印は竹や板に記した文書を粘土で封をしてその上から押して文字を浮き上がらせるもので、文字は掘り込まれています。
 公園に復元されていた井戸の枠、一本の大クスノキをくり抜いたもの。切るのも掘りぬくのも大変だったでしょうね。中にも外にもノミの跡がたくさんあります。
土器に描かれてあった龍の絵、「龍」は想像上の動物として弥生時代に中国から伝わったそうです。右の写真をクリックすると大きい画像を見る事が出来ます。
弥生時代の道具などが本当にたくさん展示されていて考古学がお好きな方は必見の博物館です。今日は行きませんでしたが、他にも「池上曽根弥生学習館」「池上曽根弥生情報館」があり、弥生時代の物作りを体験したり、復元された建物の情報を詳しく知ることができます。

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