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写真・水と緑の島 屋久島

第二日目 9月6日(土) ヤクスギランド/縄文杉登山
今日は2グループに分かれて行動する。縄文杉登山グループはROCKさんをリーダーに5時にホテルを出発して22km、10時間の登山。ヤクスギランドグループはレンタカーを借りてIMAさんに運転をお願いしてヤクスギランドをメインに行動する予定。先に縄文杉に登ってみたい方はこちらへ。

ホテルの朝

いさわきホテルホテルの庭園から建物をパチリ。雲が広がって見えるがこの日もとてもよいお天気になった。このホテルは海側と山側に部屋があり、どちらの景色もすばらしいが、庭園越しに見るモッチョム岳(標高994m)は海岸から急に立ち上がった山肌が特徴的で、壮観。ホテルの園内にはポンカン園・タンカン園、ヤクシカ園、滝などがある。早起き組みはカメラを片手に庭園を散歩する。タンカン園には白黒まだら模様のあひる?が放されていた。「あれは何?」と一騒ぎ。少し行くと屋久シカ園に到着。木の間からは立派な角を持ったオスジカが顔をのぞかせていた。森をトレッキングしている時にも何度かヤクシカと遭遇したが、メスばかりだった。このオスの鹿、前にロープさえ垂れ下がっていなかったら・・・森の中で会いました、と書いてもおかしくない雰囲気だ。
朝のモッチョム岳シカ園のシカ

レンタカーにていざ出発!

モッチョム岳その2縄文杉登山組は5時に出発してしまったがヤクスギランド組は本日IMAさんが運転手となり島内を自由に動く予定。レンタカーが9時にならないと来ないのでゆっくり朝食をとる。6階のレストランからはモッチョム岳が目の前に迫ってきて庭園で見たのとはまた違った迫力がある。

9時ちょうどにレンタカーが届く。今日の予定としてヤクスギランド→永田いなか浜→西部林道→大川(おおこ)の滝のルートをレンタカーのおじさんに提示すると、西部林道は両側に木が生い茂っていて景色もあまり見えずお勧めでないと言う。確かに本にも道幅が狭くレンタカーは夜は通行禁止になると書いてあった。それに出発の時間が遅いのでこのルートではヤクスギランドではあまり時間が取れないかもしれない。と言うことで予定を変更してヤクスギランドで大半の時間をすごし、来た道を戻り大川の滝まで言ってホテルに戻ることになった。

お昼尾之間を出て今日の昼食を調達するためにコンビニを探す。気付くのが遅くて2軒ほどやり過ごした後、小さなスーパーのようなお店に入る。お弁当は少し置いてあったがおにぎりがない。結局手持ちの非常食(役に立ちました!)とゆで卵(どこで調達したかは秘密)で済ませることにした。

安房(あんぼう)で左折してそこから山道を運転すること約40分、やっとヤクスギランドに到着。ここは標高1000mの辺りにあり、縄文杉登山ほどの装備がなくても屋久杉を見ることが出来る場所として人気がある。手付かずの原生林ではなく江戸時代に大きな杉は伐採されてしまって、その後人の手が入りながら更新されてきた天然林だ。

まずは紀元杉へ

紀元杉ヤクスギランドに入る前に車で20分ほど奥に入ったところにある紀元杉を見に行く。紀元杉は道路際にあり、車で見に行ける場所にある屋久杉としては最大のもの。周りに遊歩道をめぐらしてあり、そこを歩くといかに大きな木であるかということが実感できる。樹齢約3000年、木の上には15種類の植物が着生している。着生とは樹木や岩の上に植物が根を下ろしている状態。他の植物から栄養をもらう寄生とは違う。雨が多く、湿度が高い屋久島では木の幹が苔で覆われていることが多く、そこに落ちた種が発芽し、育つ。屋久杉は必ずと言っていいほど他の植物が着生していて見上げるといったい何の木なのか分からないほどだ。多くの植物を着生させている紀元杉は屋久杉の巨木の特徴をよく現している。ちなみに屋久杉とよばれるのは樹齢1000年以上のもの。それ以下のものは小杉と呼ばれる。紀元杉の近くには「紀元命水」と言う湧き水があり飲めるようになっている。口に含んでみるとまろやかで本当においしい。軟水は硬度60以下のものを言うのだが、ここの水は硬度10ぐらいだと言う。
普通のスギは300〜800年の寿命だが屋久杉がこのように長寿なのにはわけがある。花崗岩の山肌は養分が少ない。水には恵まれているが成長が遅くなる。その結果樹脂が多くきめ細かで腐りにくい材質になり、長く生きることができる。島の杉を島外で育てても普通に見られる杉にしか成長しないということだ。

いよいよヤクスギランド散策

150分コース地図ヤクスギランド入り口に着いたのは11時半。ここから二手に分かれる。ヤクスギランドには30分・50分・80分・150分と4つのコースがあり、体力・滞在時間に応じて選ぶことが出来る。30分・50分コースは歩道も整備されてて普通の靴でも散策できる。80分・150分コースもコースは整備されていて道を外れて迷う心配はないが、かなりの山道なのでトレッキングシューズなどが必要。IMAさん、Tさんご夫妻はヤクスギランドの30分コースを回り一旦安房に戻り、お昼を食べてから午後4時にまたこちらに戻ってくることになった。SとMはその間ヤクスギランドの150分コースを散策することに。しかしこの二人を野に放っていいのだろうか?人に危害を加えるというのではないが・・・超マイペースのSと早とちりの女王M、無事に戻ってこれるのか。

千年杉くぐり栂入り口で協力金300円を払い園内に入る。すぐに「くぐり栂」を通る。大きな木が二股になり、その下を遊歩道が通っている。そこを通り過ぎ、最初に出会うのが「千年杉」。やっと「屋久杉」という称号をいただくことが出来た若い杉だ。が、貫禄十分!

荒川橋を渡る。この辺りからだんだん山道になってくる。苔の感触を確かめたり、木のうろに入ったり、写真を撮ったりと、かなりのんびりしたペースで歩く。今回はガイド無しだったが、切り株更新、倒木更新、ギャップ更新など森が更新していく姿があちこちで見られ、また、その説明が看板に書かれてありとてもよく分かった。

ひげ長老(樹齢1000年)に一時半ごろ着く。荒川橋からここまでに約1時間かかった。ここで一休みし、地図を見て気が付いた。コースがまだ3分の2近く残っている!!4時までに出口にたどり着けるだろうか。ここでは携帯も圏外だし、遅くなっても連絡の取りようがない。ひげ長老を出発してから多少ピッチを上げる。地図に書かれてある距離はたいしたことはないのだが、とにかく石あり、木の根っこあり、アップダウンありで、時間がかかること、かかること。蛇紋杉(倒木)天柱杉(樹齢1500年)母子杉(樹齢2600年)三根杉(樹齢1100年)仏陀杉(樹齢1800年)双子杉(樹齢?)を通りやっとくぐり杉にたどり着く。ここまでくればゴールはもうすぐ。出口に着いて売店に入って5分後にお迎えが到着。やれやれ、間に合ってよかった!
杉の木のうろ苔と芽吹き
倒木山道切り株更新
古木苔むす切り株
木のうろより空を見上げる切り株

ぐるっと戻って大川(おおこ)の滝へ

ヤクザルやっと5人が合流。ヤクスギランドまで一日2往復もしてくださったIMAさん、本当にありがとうございました。4時近くになっていたがレンタカーは6時半にホテルの駐車場に戻せばよいとのことなので大川の滝に行くことにする。ヤクスギランドから安房に下る途中で屋久ザルに遭遇。道端でのんびり毛づくろいをするもの、ガードレールのポールの上で何やら物思いにふけるもの。

安房からもと来た道を戻り、ホテルの前を通り過ぎ大川の滝に向かう。大川の滝は西部林道を少し入ったところにある。落差88m、「日本の滝百選」にも選ばれているダイナミックな滝だ。千尋の滝と違って滝つぼのところまで歩いていける。近くに行くと、細かい水しぶきがかかり服がぬれるほど。写真を撮るときにはカメラを濡らさないよう注意が必要。
大川の滝その1大川の滝その2

平内海中温泉へ
平内海中温泉・入浴心得大川の滝でたっぷりのマイナスイオンを浴びた後は平内海中温泉へ。ここは干潮の前後2時間ぐらいの間だけ入れる温泉。潮が満ちてくると海中に水没してしまう。今日の昼間の干潮は15:21、現在17:30、まだ大丈夫と車を飛ばす。ここは混浴で脱衣場もなく、水着着用も不可で女性には(うら若くなくても)ちょっと入り辛い。私たちも入るのはちょっと・・・と思ったが、温泉に着いてみると意外にもたくさんの人たちがお湯につかっている。この時間帯だから地元の人が一仕事終えた後で入りに来ているのかな。当然ながら写真はありませんが入浴心得をどうぞ。

やっとホテルへ

ホテルのすぐ下にあるガソリンスタンドでガソリンを満タンにして、6時過ぎにホテルに到着。よく動き回った一日だった。縄文杉組みはまだ帰っていなかったが、さて、どんな話が聞けるかな。

縄文杉登山はこちらへ

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