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写真・水と緑の島 屋久島

第三日目 9月7日(日) 白谷雲水峡〜志戸子ガジュマル園〜伊丹
ツアー最終日も快晴の予感。今日は全員で白谷雲水峡(しらたにうんすいきょう)を歩き、もののけ姫に会いに行く。8時にロビーに集まる。本日はツアーガイドが付く(縄文杉登山組には昨日も付いたが)のでトレッキングツアー用の誓約書を書く。体調、持病、睡眠、食事などの項目にチェックを付けていく。

さあ、出発!

愛子岳ホテルに別れを告げチャーターしたバスに乗り込み白谷雲水峡に向かう。途中で愛子岳(標高1235m)が見えた。三角形のすっきりした姿で山頂に岩が露出して特徴のある山だ。愛子岳はモッチョム岳と並んで登りがきつい山だそうだ。バスの運転手さんは3年前まで札幌に住んでいたが家族で屋久島に移ってきたと言う。山がお好きなようで、冬の愛子岳にも登ったそうだ。こんな南の島だが山頂の岩の間にはびっしり氷が張り詰めていたそうだ。宮之浦から山道に入る。山肌にへばりつくようにして作られた道路を登っていく。あちこちで2車線に増やす工事が行われているが古い道路はバス一台で道路がいっぱいになってしまう。運転手さんは慣れたもので避難場所に近いほうがバックして道を譲る。
山肌の道路バスのすれ違い

緑に覆われた森・白谷雲水峡

憩いの大岩9時半、白谷雲水峡に到着。ここは標高800mのところにあり、照葉樹林からヤクスギ林への移行地帯にあり、両方の木が混在している。屋久島が世界遺産登録に登録されたことや、映画「もののけ姫」の森のイメージの元になったことで最近は特に人気が高い。入り口で今日のガイドさん2人と対面する。弥生杉コース組ともののけ姫の森コース組二分かれて散策することになる。ただし12時にはここを出発したいのでガイドさんと相談、一番見たいもののけ姫の森を目指してまっしぐらに進むことになった。協力金300円を払い、入山。入り口を入ってすぐのところに「憩いの大岩」と呼ばれる大きな岩がある。寝っころがってみたい気持ちを押さえ前進!

ヤクシカの親子がいた!
ヤクシカの親子しばらく行ったところでヤクシカの親子に遭遇。通路から15mぐらいのところにいたが、こちらを見て驚いた風もなくコケの間に生えている草を食んでヤクシカの角いた。左が母親のシカだと思われるが、夏毛で背中に鹿の子模様がある。屋久島のシカは奈良の鹿より一回り小さく、ニホンジカの中では一番小さい。右の写真はホテルのロビーに展示されていたヤクシカの角。

森の中は緑、そして水・・・

入り口辺りの岩についている苔は少し明るい緑色だ。奥に行くにつれて苔の緑が深みを帯びてくる。さつき吊橋を渡り、楠川歩道に入る。この道は江戸時代に、伐採された屋久杉を運び出すために作られた道だ。現在でも毎日大勢の観光客が歩き、活用されている。歩道はところどころ水がしみ出してきている。森の中の木や岩はびっしりと苔をまとい緑一色。
白谷川を渡る途中で白谷川を渡る。今日は晴天が続いていたので水量が少なく簡単に渡れたが、雨の後は水量が増して危険なことがあるそうだ。ここを渡るともののけ姫の森はもうすぐ。くぐり杉を抜け、七本杉を通る。七本杉は樹齢2000年と言われ、上部で枝が七本に分かれていることからこの名前がついたとか。苔の森を歩くこと約1時間、とうとうもののけ姫の森に到着。

森の精のすむ世界
もののけ姫の森宮崎駿監督のアニメ「もののけ姫」、そのなかでシシ神のすむ森のモデルとなったのがこの森だといわれている。うっそうと茂った木、その下の大きな石、そしてそのすべてを覆い尽くさんばかりの苔。そして今日のように晴れていれば木々の間から漏れてくる光。自分のいる場所が地上なのか地中なのか分からなくなるような不思議な感覚だ。苔を守るために手前に柵が設けられている。縄文杉でも根を守るために見学用のデッキが設けられ、そこよりは近づけないようになっている。ちょっと興ざめだが一旦壊れてしまった自然は容易には元に戻らない。数千年の時を生きてきた自然を人間の一瞬の好奇心で壊してはいけない。ヤクスギランドの明るく、力強い森に対してこちらはたおやかでみずみずしい森である。帰りに飛流橋の上から飛流落としの滝を見る。すっぱり切り取られたような花崗岩の間を水が落ちていく。屋久島にはいたるところに滝があるが数日間好天に恵まれたせいかどの滝も水量が少なかったのが残念だった。
滝と苔苔1
苔2芽吹きその1木のうろに生えたシダ
芽吹きその2苔むす杉の木

志戸子ガジュマル園

うちわ白谷雲水峡を後にして宮之浦へ戻る。ふるさと市場で昼食、お土産を買ったあと、志戸子ガジュマル園にむかう。ガジュマルは熱帯産のイチジクの仲間で幹の途中からたくさんの気根を出す。アコウという木もやはり同じように気根を出して成長する。志戸子ガジュマル園の中には巨大なガジュマルやアコウの木がたくさんあった。園内は蚊が多いので自分で追い払うようにと入り口でうちわを1本ずつ渡された。虫に刺されるのはイヤと園内に入らなかったIMAさんが外でヤマブドウ、巨大なハマエンドウ、ヤクシマサンキライなどを発見したので見に行く。志戸子ガジュマル園は前にきれいな海が広がる。男性が一、シュノーケルをつけてもぐっていた。今回は杉の木を見るために山に登ってばかりいたが、西側の永田いなか浜はウミガメの産卵地として有名。沢登りやカヌーなど豊富な水と戯れる遊びも楽しそうだ。。
アコウガジュマル
アコウ                     ガジュマル

さよなら屋久島、また来るね!
プロペラ機2泊3日の旅は晴天に恵まれて全員屋久島を堪能した。欲を言えば・・・ちょっとだけ雨が降って欲しかった・・・なんていったらぜいたくだろうか。雨にぬれてきらめいている苔も見てみたかった。ともあれハードな登山を全員体調を崩すことなくやり遂げることが出来たのだからすごい!今度来る時はウミガメを見たいものだ。

帰りは屋久島空港からボンバルディア機で鹿児島空港に飛ぶ。片道25分のフライト。来る時は快速艇で1時間45分かかったことを思うと飛行機は速い!ちょうど座席の横が車輪の格納庫で、カクン、と入ったり出たりするのが見えて面白かった。鹿児島空港で乗り継いで伊丹に到着。皆さん、お疲れ様でした。

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