ブラジルエコツアー

第4日目 トメアスからベレンへ  (3月29日)
アプリコ朝7時、文化協会前に集合。植林場に行く途中で 笹原農場を見学。大きなパラグリ(カスターニャ・ド・パラ)の木があった。パラグリは自然栽培だと収穫までに10年かかるが接木にすると5年で収穫できるようになるという。途中でアプリコという果物を切って試食させてもらった。マンゴーのような色合いだが、食べた感じも甘みももう少しあっさりしている。ブラジルではサラダにしたりジュースにしたりシロアリの巣してあまり生食はしないそうだが全員おいしいと意見が一致。。日本に輸出したらきっと人気が出るのに、と思ったが、種がとても大きくて輸送経費がかかりすぎるということだ。所々で見かける黒いもの、なんだろうと思っていたらシロアリの巣だった。前日訪問した高松農場でも見かけた。アルマジロなどに食べられないように高いところに作ってあるという。日本では柱にシロアリが住み着くと家がだめになってしまう。ここのシロアリは木の中に巣を作っているわけではないがやはり木が弱るという。笹原さんのお宅に戻り、奥様手作りのバグリのケーキやブラジルナッツ(パラグリの実)をいただいたく。ここで巨大なたけのこを発見。ブラジルにもタケがあるのだが日本のものと違い地下茎が伸びて広がるのではないそうだ。

次に育苗場を見学し、植林予定地に移動。植林予定地になっている場所は二次林といって、いったん焼き畑農業に使われた土地に雑木が生えたところだがそのままでは有効に利用しにくいので植林を行うのだそうだ。そこに私たちが記念植樹をさせていただいた。苗は植林予定の場所にすでに置いてあった。森が大きく育つときのことを考えて木を配置してあったのだと思う。さらに、植えるところは土が一度掘り返されて軟らかくされていた。日本の力のないおばさんたちの訪問と言うことでとても気を使っていただいたようだ。その上一人ずつ、指導者(?)が付き、クワはこう持って、とか、苗は土を崩さないように、とかアドバイスを受ける、アサイヤシ、カスターニャ・ド・パラ(パラ栗)、アンジローバ、カカオなどの苗木を一人5本ずつ植える。ご苦労様でした!今日植林した木が大きく育ち森になったころ、また様子を見にブラジルを訪問できるといいですね、皆さん!
    

新井さんの農場に移動、原生林を見せていただく。人の手を入れていないアマゾンの森で、これまで見てきたアグロフォレストリーとは違い、大きな木が茂りうっそうとしている。倒れた木はコケが覆われところどころ赤や白の小さなきのこが生えている。歩く道は落ち葉がしっとりとぬれている。原生林という表現がぴったりだ。今回の訪問を記念してプレートにそれぞれの名前を書き込み新井さんの選んでくださった記念樹にプレートをつける。アマゾンの奥地に自分の名前が残るのかと思うとなんだかこそばゆい気がする。近くにあるもう一回り大きい木には自然学校のプロジェクトリーダーのH君の名前と野生生物の会の名前が書いてあるプレートが貼り付けてあった。
   
原生林を見学の後、車で第1回の自然学校が開かれた場所に移動。小川が流れていて先ほどの原生林とはうって変わった穏やかな風景だ。この場所で地元の小学生10人とベレンから招待された小学生10人で自然学校のキャンプを行ったそうだ。私たちが体験した植林、ジュース工場の見学のほかに農業体験、ものづくり体験、ネイチャーゲームなどを行ったという。ここでクプアスとアセロラののジュースをいただく。それに、日本ではモンキーバナナといわれる小さなバナナ。とても甘くておいしかった。
   

トメアスのレストラン「果林」で昼食交流会。自然学校のインストラクターは日系人が7人、ブラジル人が3人。そのうちの一人のサンドラさんがこられていた。小柄でとてもキュートな女性で小学校の先生をしているそうだ。ここで食事をした後いよいよトメアスに別れを告げベレンに戻る事になった。途中でガス欠になり、ガソリンスタンドに寄って給油。ブラジルの空気はほのかに甘いにおいがする。やはり緑が多いから花の香り?と思ったらそうではなくサトウキビから作ったアルコールのにおい。ブラジルの車の燃料にはガソリンに25パーセントのアルコールが混ぜてあるそうだ。ちなみにブラジルの石油の自給率は100%。それとトヨタなどの日本車も多くも見かけた。マナウスには大きな工業団地があり、日本の企業も多数進出している。ここで走っているトヨタはブラジル国内で生産されたもの。トラックでダントツに多かったのはベンツ。やはり、ヨーロッパに近いことを実感。

夕方ベレン着。ブラジルはチョコレートがおいしい。でも空港で買うよりスーパーで買うほうが安いとのH先生の助言があり、食事の前に「YAMADA」に連れて行ってもらう。名前のとおり日系人が経営しているスーパーだ。まずはチョコレート。袋入りのものを数種類買おうとしていると、店員さんがこちらに数種類の箱入りがある、と身振りで教えてくれたので(安いと言われたかどうかは分からないが)それを購入。4レアル95センターボ(約198円)写真手前の袋はブラジル名産(?)ガラナジュースの粉末。59センターボ(約23円)ほかにも何種類かジュースがあったが、すでに試飲している先生のお勧めは「ガラナ」。ビンはガラナの実を粉末にしたもので4レアル50センターボ(約180円)、ブラジルでは健康によいと、よく飲まれているとか。味もほとんどないのでコーヒーとかジュースとかに入れて飲むらしい。カフェインに似た成分が多量に含まれているので飲むと眠気が取れるそうだが、効き目は2時間後ぐらいからと言うことでちょっと飲む時期にタイミングが必要。奥に、魚屋がありカメラを構えると、魚を持ち上げてサービスしてくれた。ブラジルの魚はどれも大きい!

港の倉庫を改装したモール、エスタサン・ダス・ドッカスで夕食をとる。とても広く、屋内と屋外にテーブルがたくさんあり、有名な店やレストランはほとんどここに出店しているという。ガイドのSさんお勧めの料理をいただく。名物のカランゲージョ(泥ガニ)をから揚げにしたものがおいしかった。チャーハンが漆のおわんに入って出てきたのにはびっくり。ここは日系人が経営しているんだそうだ。日本語で「波止場」と書かれた大きな垂れ幕が下がっているのにもナットク。もうひとつ面白かったのが倉庫の高い天井を利用して移動式のステージがあったこと。この日は女性のギタリストが弾き語りをしていたがそれがゆっくりと天井を倉庫の端から端まで移動していく。食後、有名なアイスクリーム屋さんでアイスを食べる。店の経営者は日系人で店名の「KAIRU]は「蛙」からきていると言う話だが本当?その後夜のカステロ要塞を車の中より見学の後、BOTECOにて音楽ライブショーを楽しんだ、といいたいところだが、中に入って飲み物を注文し飲み終えたところで閉店。なんと12時になっていた。車でホテルに戻り、本日の強行軍に終止符・・・と思ってはいけない。この後もおばさんたちの活動は続いたのだ。

深夜のインターネット:
このホテルのロビーにパソコンが3台置いてあるのだが聞いてみると自由に使っていいとのこと。今回ブラジル行きのメンバー6人のうちの5人はパソコンが趣味。機会あらばブラジルからメールを送りたいとwebメールのアドレスを取り、自分宛てに知人のメールアドレスを送っておくという周到な用意をしておいたのだ。疲れて部屋にこもった一人を除き4人が照明が落とされ人気のないロビーでパソコンに向かう。パソコンの画面は日本のものと同じ。ただ表示はポルトガル語。googleで検索して何とかそれぞれのwebメールの画面にたどり着く。で、IDとパスワードを打ち込んでメールボックスを開いたのだが、ありゃまぁ、文字化けというか日本語表示の部分が□になっている。日本語が出た!と思ったらそこは画像の部分。日本語のフォントが入っていないんだから仕方ないか。で、勘を働かせてそれらしき場所をクリックし、ローマ字で文を書き悪戦苦闘しながら何とかメールを書き終えたのが1時過ぎ。3人はそれぞれ部屋に戻ったが最後に残った一人は2時までメールを書き続けたそうだ。この場では送信済みがどこに入っているか分からず確認できなかったが、メールはすべて無事届いていた。