7時より朝食。このホテルは釣り人にも人気があるがスポーツ選手の合宿所としてもよく利用されているらしい。朝食はバイキング形式だがオリンピック強化選手に出したものと同じメニューと言うのが自慢。奄美の野菜がたくさん使われており種類も多くヘルシーな上においしい。 左奥の皿に乗っている柏餅のようなものは黒糖と餅粉、ヨモギで作ったお餅でサネン(クマタケラン)の葉でくるんである。 |
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9時、昨日のバスでホテルを出発。金作原(きんさくばる)の散策とカヌーツアーに向かう。エコガイドのMさんは奄美のことをとてもよく勉強しておられて、動植物の知識は言うに及ばず、奄美の歴史から、現在の状況まで本当に詳しく説明してくださり、今回の旅行がいっそう興味深いものになった。昨日おいしい刺身をいただいたが、魚料理をメニューに載せている店は以外に少ないと言う。というのは奄美大島は外洋に面しているので海が荒れると漁に出られず、コンスタントに提供できないからだと言う。 | |
途中で島バナナの栽培を道路より見学。普通本土で店で売っているバナナは青いうちに収穫してガスで追熟させたもの。こうするとバナナは収穫したときのまま角ばって熟すが、島ではバナナを木上で熟させて収穫するので形が丸みを帯びているという。こうして丸みを帯びたバナナを収穫し、1週間ぐらいぶら下げておくと完熟するらしい。 | |
途中でタンカン、スモモ、パパイヤ、パッションフルーツの畑を見かける。パパイヤはオス・メスの木があり、実をつけるのはメスの木だがたまにオスの木にも実が付くことがあるらしい。 | |
林道に入る頃からシダ類が多くなる。日陰にはシダ、日向にはススキが生えている。山肌はスダジイ、イタジイなどに覆われ、ところどころに独特のヒカゲヘゴの葉が見える。ハゼ、イイギリ、クワズイモなども見かける。 10時少し前に金作原原生林の入り口に到着。途中の道は車が一台しか通れない細い道でところどころに退避場が設けてあるが、数が少ない。この原生林を訪れるのはほとんどが観光客で、大概登ってくる時間が決まっているのでぶつかり合うことは少ないと言うが、変な時間帯に訪れると何十メートルもバックする羽目になる。 |
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入り口の看板に色々注意事項が書かれてあったが「ハブに注意」だけが特に大きな文字で書かれてあった。ハブがいることで人々は原生林にやたら踏み込まず、奄美の自然が残されてきたと言っても過言ではない。奄美での生態系の頂点はハブだが、これを駆除するために27〜28年前にマングースが連れてこられた。また人の連れてきたイヌ、ネコが野生化し在来種の生息を危うくしているという。原生林の中にはマングースを捕まえるためのわなが仕掛けてあった。入り口の看板の前で記念撮影。左端がガイドのM氏。 | |
原生林散策の途中でサキシマフヨウを発見。他にホワイトジンジャーの花を見かける。これは園芸種が野生化したものらしく、香水の材料として使われるらしい。ユウコクラン、キンギンソウ、カクチョウラン、アマミエビネ、トクサランなどを観察。奄美には約80種のラン・エビネがあったが盗掘などによって減少し現在は約60種しか確認されていない。カゴメランに花が咲いているのを見る。 |
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原生林の中にはヒカゲヘゴがたくさん見られた。ヒカゲヘゴは葉は日光を好み、根元は水分を好む。太陽の光を求めて上へ上へと葉を伸ばし、その影が日陰になるのでこの名前が付いた。おもしろいことに大きなヒカゲヘゴには途中でくねくねと曲がっているものがある。これは上が何かにさえぎられたため日の光を求めて明るいほうに成長していったあとらしい。 普通のヘゴとの違いは葉の落ち方。ヒカゲヘゴは一枚一枚葉を落とすので幹には楕円形の葉が付いていた痕が見える。 オオタニワタリの着生を観察。オオタニワタリは木の途中に着生し、木の表面に流れる水分や昆虫の市外などから自分で腐葉土を作り養分を取っている。 |
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原生林の一番奥でオキナワウラジロガシを観察。これは「安全に見られる所」で最大のものだと言う。樹齢150年以上、高さ22m、幹の太さは1m、根元は板根が発達している。 土が深くないので木は台風で倒れやすい。しかし水が豊富なので倒れた木の幹から根が張り、枝が幹となって上に伸びる。そんな木が多数見かけられた。 |
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アオノクマタケラン(サネン)を観察。これは殺菌作用があり今日ホテルの朝食で出たお餅などを包むのにも使われていた。金作原散策を終え下山の途中で蝶が舞う一角出途中下車。ヤマヒヨドリバナが咲きその蜜を求めてチョウが集まってきている。ここで見かけたチョウは3種。アサギマダラ、リュウキュウアサギマダラ、ツマムラサキマダラ。残念ながら写真に取れたのはリュウキュウアサギマダラだけでした。 | |
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お昼は郷土家庭料理の店でお弁当をいただく。野菜がたっぷりのお弁当はとてもおいしかった。 | |
マングローブカヌーツアーは午後16:49の満潮に合わせて行なわれるのでまだ少し時間がある。そこで予定に入っていなかったが奄美市住用町にある写真ギャラリー「わだつみ館」に伺う。ここは奄美に咲くランを撮り続けている山下宏さんが開いたギャラリーで小ぢんまりした建物の中には奄美に咲く花のすばらしい写真が飾られていた。 山下さんに案内されて「モダマ」の自生地を見学に行く。モダマは常緑のつる性木で大きなものは幹の直径が30cmにもなる。果実(莢)は幅15cm、長さ1mにも達し世界最大のマメ科植物である。右はモダマの莢。 |
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いよいよマングローブの水路を探索。ライフベストを身に付けパドルの操作を教えてもらい、いざ乗船。一人ずつカヌーに乗り込みこれからは自分だけが頼り。操船に不安がある人にはN氏がぴったり付き添って指導してくださっている。N氏のパドルさばきはさすが! | |
広い水路をガイドのM氏について船を進める。みんな難なくカヌーを進めている。マングローブの間を一通りこいだ後「今日は潮がよいから狭い水路を行ってみましょう」とM氏。みんな多少不安ながらも「ハ〜イ!」と返事は元気。少し入ったところで記念撮影。 | |
小さなマングローブの木の間の細い水路に入る。だんだん大きな木が増えてきてマングローブのトンネルになる。こうなるとあちこちにカヌーがぶつかり勝手に方向転換してしまう。それに満潮を目指してたくさんカヌーが漕ぎ出しているので狭い水路は大渋滞。木につかまり片側に身を寄せて対向カヌーをやり過ごす。ここから無事出られるのかとちょっと不安になる。 | |
途中でオヒルギ(左)とメヒルギ(右)の花を観察。 | |
大きな水路に出たときは全員ホッとため息。思わず手を取り合って喜びました。大冒険でした! | |
今日抜けてきた水路を展望台より見る | |
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ホテルに戻り今日は「喜多八」に食事に出かける。ここは昨日の懐石風とは打って変わった本当の家庭料理。まず最初に出てきたのがシマキュウリの酢の物。看板娘がシマキュウリを持って来てくれたが大きい〜!お刺身はしょうゆではなく味噌だれ。そのほか、豚の角煮、サトイモ等の野菜と塩豚の煮付け、イカスミ汁、どれも大きい!ここでも黒糖焼酎をいただく。 | |
シマキュウリ | 刺身と味噌だれ |
塩豚と野菜の煮物 | イカスミ汁、中にはイカの身が |