今日は奄美滞在最終日。昨日までの観光バスではなく奄美交通のバスを利用する。朝9時にホテル前にバスが迎えに来てくれていた。まずは大浜海浜公園にある奄美海洋展示館を見学。
入ったところに大きな水槽がありサンゴ礁の海底から砂浜、浜辺の森までが再現されている。中には熱帯魚や海がめが飼育されている。ウミガメにレタスを与えると我先にと食べ始めた。レタスの成分が海藻の成分と似ているので好んで食べると言う。海がめにやっているうちに周りの熱帯魚も食べるようになったと言うからおもしろい。ここは横の階段を上っていくにつれて浅い海から陸地になる様子を観察できる。
 ホールで奄美の水中の映像「ティダ(太陽)からの贈り物」を見る。サンゴの産卵や水中で眠る魚の姿が印象的。
駐車場への道路沿いに芭蕉が植えてあった。この幹から芭蕉布が作られる。実はバナナにとてもよく似ているが食べられない。左が芭蕉の幹、右が芭蕉の実。

次に焼酎工場「浜千鳥館」を見学。奄美大島でのみ黒糖焼酎が生産を許可されたいきさつや製造の過程を見学する。

11:40、大島紬村に到着。紬のできる行程を見学する。どの行程も本当に手間のかかる細かいもので大島紬の値段にも納得。大島紬を織っておられた方はこの道30年ということで細かく染め分けられた糸をきちんとした絵柄になるように修正を加えながら少しずつ織り進んでいた。糸から染めているから出来上がった反物は裏も表も同じ模様が出ると言う。
またこの大島紬村周辺は絶好の野鳥観察ポイントでサシバ、リュウキュウサンショクイ、ルリカケス、キセキレイなどを見かけた。バスの運転手さんは野鳥に詳しい方でバスの中から大きな双眼鏡を持ち出して説明してくださった。またバスガイドさんも携帯に入っているルリカケスの鳴き声を聞かせてくださった。ルリカケスはきれいな体に似合わない「ギャーギャ−」という鳴き声だった。Sさんのデジカメでその姿をキャッチ!下を向いていてちょっと判りにくいのですが瑠璃色の体が見えますね。

13:00、ばしゃ山のレストランで昼食。おとついの夕ご飯で食べた鶏飯を頼む人(何しろ懐石風でほんのちょっぴりだったので)、海鮮うに丼、海鮮おじやとさまざまな昼食を取る。昼食後レストラン前の海岸を散策。この日は曇り空で海の色がきれいでなかったが、晴れた日はリーフの中はエメラルドグリーン、外は濃い青とくっきりと染め分けられいかにも南国の風情が漂っているらしい。

次に、奄美パークを訪れる。ここでは奄美の自然、歴史、文化を紹介した映像や展示があり、また奄美の自然を愛した田中一村の記念美術館がある。左は田中一村が描いた「ビロウとアカショウビン」のキーホルダー。
田中一村は明治41年栃木県生まれ。東京美術学校入学後3ヶ月で中退、50歳のときに奄美へ移住し、紬染色工として生計を立てながら絵を描き続けた。奄美の自然に魅了され亜熱帯の植物や魚などを題材に日本画の新境地を開いた。

      <田中一村記念美術館パンフレットより抜粋>

奄美旅行の最後はあやまる岬。あやまるは「あやに織りなしたまる(マリ)のごとく美しい」ということから付けられた名前。260度の眺望があり、地球は丸いということを実感する岬である。眼下に公園があり、大人用、子供用と分けられた天然のプールがある。
あやまる岬は奄美空港に近いので空港に着いてすぐか、帰る間際に訪れる人が多いと言う。われわれは後者。ここを最後に空港へと向かう。帰りは鹿児島空港を経由してのたび。17:25発のJAL3736便に搭乗。次第に暮れ行く空を眺めながら18:15鹿児島空港に到着。19:00発JAL2414便にて伊丹に向かう。

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