1 かたつむりとは |
かたつむり」という生物学上の分類があるわけではありません。 陸に棲む貝を親しみを込めて呼んでいる呼称です。陸に棲む貝は全て巻貝のなかまです。そのうち、大きな触覚の先に目がついているものを一般に「かたつむり」と呼んでいます。「でんでんむし」や「まいまい」ともいいます。ここでは、猪名川流域に棲む陸生の貝のうち、主なものを紹介します。 |
2 マイマイ属 |
マイマイ属の貝は比較的大型で美しいものも多く、かたつむりの代表選手といえます。 また、それぞれの地方に固有の種があります。 私たちの住んでいる関西圏の代表選手は何といっても、クチベニマイマイとナミマイマイです。 |
クチベニマイマイ: 落葉広葉樹にいることが多く、公園のサクラなどでも見かけます。殻口が紅色であることからこう呼ばれます。 |
ナミマイマイ: 林縁部や住宅街の石垣の間などにいます。 |
3 その他のカタツムリ |
オオケマイマイ: 平べったくて、外側に毛のようなものが生えていて一見、異様なカタツムリですが、上流域を中心に広く分布しています。 |
オトメマイマイ: その名のとおり、10mmほどのかわいいかたつむりです。 |
コウベマイマイ: 神戸ブランドですが、近畿以西、九州まで分布しています。あまり見かけることはなく、猪名川流域でも限られたところにしかいません。 平たく、殻口部が極端に肥厚しており、形は特徴的です。 |
コベソマイマイ: やや大型です。分布は広いのですが、絶滅危惧種に指定されている地方(府県)もあります。猪名川流域では、川西市石道から上流の猪名川町にかけて見られます。 |
ニッポンマイマイ: 日本の名をもらっていますが、学名のSatsuma Japonicaが由来でしょうか。写真のものは妙見山麓初谷川のもの。一庫あたりのものはもっと色が薄く、箕面公園のものはもっと黒っぽい色をしています。 |
チャコウラナメクジ: ナメクジのなかまもれっきとしたカタツムリのなかま(有肺類)です。ナメクジの中でも、このコウラナメクジのなかまは、背中に甲羅のようなものがついていて、これが、殻の名残と考えられています。 |
オカチョウジガイ: 「チョウジ」とは「寵児」のこと、つまり小さいのです。高さ10mm程度です。ひだりの2つの大きい方はトクサオカチョウジガイと思われます。 |
ナミギセル: キセルガイのなかまはあまり見ることはないのですが、種類は多く、同定も容易ではありません。このナミギセルは比較的一般的で、大型ですので、見つけやすいキセルガイです。画像には仔貝も写っていますが、この種は卵胎生で殻のついた仔を一度に3個くらい生みます。 |
シリオレトノサマギセル: 上流域の礫と落ち葉があるようなところにいます。 |
ウスベニギセル: 高さ16mmほどの小さなキセルガイです。 |
4 その他の陸の貝 |
かたつむりのなかまは有肺類(ゆうはいるい)といって、大きな触覚の先に眼が付いているといった特徴を持っていますが、ここで紹介する貝は前鰓類(ぜんさいるい)といって、眼は触覚の付け根にあり、また、蓋(ふた)を持っているなど、かたつむりとは異なった特徴があります。 |
ヤマタニシ: 上流部の川の近くにいます。ふつうに見られます。 |
ヤマキサゴ: 中にはオレンジ色をした美しいものもいます。 |
アツブタガイ: その名のとおり、マンホールのようなしっかりとした蓋を持っています。 |
アズキガイ: 大きさも色も小豆のようです。局所的にかたまって棲んでいます。 |
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